2014年11月22日土曜日

問題篇:NEJM Case36-2014



今週のNEJM Case Records of the Massachusetts General Hospitalです。

解説は次の記事を見てくださいね。

かいつまんでまとめてあります。全文を読みたい方はこちらへ。


Case 36-2014
An 18-Year-Old Woman with Fever, Pharyngitis, and Double Vision


【患者】18歳女性

【主訴】発熱、咽頭痛、顔面浮腫、複視

【現病歴】
2週間前、頭痛、のどの痛みが出現。発熱(-)。A診療所にて溶連菌迅速検査陰性、帰宅。

それから2日間、のどの痛みは持続。口からものを食べられなくなった。
脱水、しんどい、発熱(39.4℃)でB病院受診。
胸部レントゲン正常。繰り返しWBC2000/mm3以下を指摘された。
EBV感染パターン。インフルエンザとCMVは陰性。咽頭培養でC群連鎖球菌(+)。血培、尿培陰性。
伝染性単核球症±細菌感染と診断された。
輸液開始で改善、翌日にエリスロマイシン開始で帰宅となった。

9日前、開口障害、右側顔面の腫脹が出現し、再びB病院受診。
耳下腺炎の診断でイブプロフェン投与されたが顎右側の痛みは消えず。
熱は38.3℃で、右耳下腺と顔面の腫脹発赤あり。

6日前、C病院に転院。プレドニンと鎮痛薬投与。耳下腺マッサージ施行され帰宅。
しかし熱が依然としてあり、腫脹も悪化していった。

3日前、頭頸部CT施行。咽後膿瘍、扁桃腺周囲膿瘍はみつからず。
ST合剤、クリンダマイシン、輸液投与。

2日前、右眼瞼の腫脹と水平性複視が出現。右眼の外転制限あり。
頭頸部MRIにて右耳下腺にリング状に造影される多房性の液体貯留あり、膿瘍と矛盾しない所見であった。咀嚼筋に炎症所見あり。右側頭領域の硬膜が線状に肥厚している。右海綿静脈洞に不整あり、明らかな血栓はない。右眼窩骨膜下膿瘍あり。

D病院に搬送。意識は清明でバイタル特記なし。
右の耳介前部、眼窩周囲に腫脹あり。軽度開口障害あり。
両側(右>左)頸部オトガイ下・顎下リンパ節腫大、右側耳介前部・後部リンパ節腫大あり。
歯肉頬溝と舌前部に白苔あり、拭うと痛い。
右耳下腺管に圧痛あり、液体流出無し。
右眼は内側に偏移しており、中線を超えて外転できない。
継ぎ足歩行が軽度困難。

血液所見(抜粋):Hb 9.8g/dl、WBC 8290/mm3、Plt 119000/mm3 、Glu 173 mg/dl、Alb 2.3g/dl。HIV陰性。 
尿検査:蛋白±、Glu3+、ウロビリノーゲン2+、扁平上皮と細菌が+(コンタミかも)。






【既往歴】月経困難症にてピル服用中、喘息、ペニシリンアレルギーあり
【生活歴】喫煙なし、アルコールなし、違法薬物なし、旅行歴なし


さて、あなたの診断は?